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治療終了しました!症例♯1オープンバイト(開咬)
これから当院で矯正治療の終了した患者様のご様子を随時ご紹介していこうと思います。最初のお口の状態や治療方法、患者様の年齢など皆様の参考になればよいなと思っています。
最初の患者様は、開咬(オープンバイト)の症例です。奥歯数本しか咬みあっていないため、前歯が咬みあわずお口が閉じられない状態です。ごはんをよく嚙めなかったり、発音にも支障がある場合があります。
患者データ
12歳6か月(矯正開始時) 女性
治療期間
2年
費用
110万円(消費税込)
抜歯の有無
抜歯はしていません
治療内容・装置
マウスピース型(インビザライン)矯正装置で上顎を拡大、顎間ゴムによって咬み合わせの高さを改善し、歯列を整えました。
院長からひと言
ほんとによく頑張ってくれました。マウスピースを一日20時間以上装着し、なおかつ顎間ゴムもきちんと使用してくれたので、大変難しい症例でしたが咬み合わせも歯列も整えることができました。
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よく診る、難しい症例(奥歯の隙間)
今回の症例は、悪い歯並びの代表例である八重歯です。
歯並びが悪いだけでなく、困ったことに犬歯から奥歯にかけて歯が嚙み合っていない開咬の状態です。一般的な矯正の治療法では中心から4番目の歯を抜いて隙間をつくり、飛び出した犬歯を並べて治療します。
しかし、この矯正方法は歯を横に動かす治療法なので、噛んだときにできる奥歯の上下の隙間を治すのが苦手です。当院ではマルチループ(MEAW法)という上の写真で装着しているようなクネクネ曲がったワイヤーを使用して、上下の隙間を埋めていくことで歯並びを整えます。
当院では口腔機能向上を重視した診療を行っております。
同じような症例でも骨格の違いによって治療法が変わるため、来院されて診査・診断すことが必要です。 -
反対咬合(下顎前突・受け口)1
反対咬合とは?
反対咬合とは上下顎前歯3歯以上の前歯が正常とは反対に咬んでいる状態をいいます。
発現時期としては三歳児前後から反対咬合が診られることが多いのですが、「顎顔面部の不調和が思春期前にわずかであっても、思春期成長により著明に現れることがある。」
第5版 歯科矯正学つまり、反対咬合は小学校時代まで何事もなくとも中学・高校生になってから突然、予想できない異常な成長により反対咬合となってしまう事がある不正咬合です。
また「治療において、思春期成長を迎える前までに可能であれば前歯の被害を改善しておくことが一般的である。」
5版 歯科矯正学つまり、反対咬合(下顎前突・受け口)については早期治療が特に効果が見込める症例であると考えられています。
反対咬合には早期治療が効果的
反対咬合を当医院の症例から説明してみましょう。
反対咬合(下顎前突・受け口)は上下の咬み合わせが通常と逆になるので、筋肉や骨の形がその状態に適応するために通常とは異なる形に変化して将来の顔貌にも影響を与えるため、特に早期の治療が治療効果を発揮する症例と言えます。
下の写真のように咬み合わせの力が弱い幼少期の反対咬合は、咬むための力を主に筋力に頼っているので治療の効果が一目瞭然に確認することができます。
治療期間は1年6ヶ月で、いずれも顎のラインがスッキリしています。これは、矯正治療により受け口が改善されて筋肉の使い方が通常に戻ったために起こった変化で、大人ではこの変化は起こりません。
次に骨格で比べてみましょう。
同じ患者様の矯正治療終了後の骨格です。
不安定に見えていた咬み合わせが、反対咬合が改善されて安定して咬みあっていることが分かります。小学校低学年の治療であれば早期治療により反対咬合は容易に改善可能で、骨格の変化を考えてみても反対咬合は早期治療の効果が得られやすい症例と言えます。
反対咬合を放置するとどうなるの?
20歳位まで反対咬合を放置すると、体重と比例して強くなった咬合力を支えるために下顎骨だけでなく頭蓋骨などいろいろな顔の骨格を変化させて受け口の咬み合わせに適応していきます。
骨格の変化は頭の上の方から
①頭蓋骨は形を楕円に変形させます。
②中顔面は凹みます。
③下顎骨は先端部分が厚くなり、三角形になります。このように、大人の強い咬合力で通常とは逆の咬み合わせで咬むために顔面頭蓋の骨の形を変化させるのです。
大人になってから顎の形などの顔貌を気にされて反対咬合の治療を希望される患者様もおりますが、通常とは逆になった咬み合わせや歯並びを整えることができても、残念ながら変形した骨の形は元に戻せません。
この様な理由から受け口の早期治療には価値があります。
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八重歯
☆いずみ歯科矯正歯科医院HP☆ 矯正のお役立ち情報はこちら!
こんにちは(*^^*)
当院のブログをご覧頂き、ありがとうございます!歯科矯正学はこの八重歯という歯列不正を治療するために始まったと言っても過言ではありません。白人社会ではもっとも治療を希望される歯列不正です。
一般的には八重歯を治す場合には八重歯の隣の第一小臼歯を抜いて治療しますが当院では第一小臼歯を抜かないで劣成長の収縮した上顎骨を元の大きさに戻すことで歯並びを改善しています。
初診時 終了時
青い輪の中が2本の永久歯が 青い輪の中の骨が改善したので自然に
重なっています。 歯が並んでいます。
八重歯 初診時 13歳5か月 女子
終了時 15歳5か月 治療期間2年間
当院では上顎からできるだけ見えにくい矯正装置を使って治療を
始めます。
2か月後に下顎の矯正装置を装着しました。
3か月後には歯列はかなり改善してきました。
約6ヶ月で八重歯も改善して歯並びは改善しました。このために
矯正装置を一般的に使用している装置に取り替えました。
咬み合わせの高さを改善して、しっかりとした咬合関係を
つくる為にMEAW(マルチループ)を使用していきます。
咬み合わせが改善したところでMEAW(マルチループ)から
ストレートに戻して細部を整えていきます。
2年間で治療は改善しました。
一口メモ
主訴の八重歯は下の写真の様に歯(第一小臼歯)を抜く事無く治療することが出来ました。
ただ治療を成功させるためにはゴムを24時間使用することが必要です。
矯正は普通の病気と同じで患者さま自身の努力が必要です。
また、どのような症例でも歯を抜かないで治療することが出来るわけではありません。一度、当院に来院されて診査診断を受けて下さい。
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受け口(反対咬合、下顎前突)について
☆いずみ歯科矯正歯科医院HP☆ 矯正のお役立ち情報はこちら!
こんにちは(*^^*)
当院のブログをご覧頂き、ありがとうございます!受け口(反対咬合、下顎前突)とは犬歯を含まない前歯が3本逆に咬んでいる状態を受け口(反対咬合)と言います。
日本では約3~4%で見られます。そして出来れば早期に治療した方が良いタイプの不正咬合です。
受け口の種類
受け口には簡単に治るタイプ、治療が難しいタイプがあります。
受け口を矯正学的に分類すると下の3種類に分類されます。
- 歯槽性下顎前突:上顎骨、下顎骨の大きさは形態にはほとんど異常がなく、上顎前突の舌側転位や舌側傾斜、下顎前歯の唇側転位や唇側傾斜、またはそれらが合併することにより上下顎前歯が逆被蓋を呈するもの。
- 機能性下顎前突:上下顎切歯の早期接触などが誘因となって、下顎骨が本来の顎位から前方に変位し下顎が近心咬合位に誘導され、上下顎前歯が逆被蓋を呈するもの(仮性下顎前突ともいう)。前歯の切端咬合での構成咬合がとれる。
- 骨格性下顎前突:上顎の劣成長または下顎の過成長もしくはその両者によって上下顎前歯が逆被蓋を呈するもの。
この3種類の形態は①➡②➡③と治療が難しくなります。
次に③の受け口がどのように形成されるかを説明していきます。
(何故、受け口(下顎前突)になるのか?基礎的な知識)
矯正学では受け口の治療法を説明することはあっても何故受け口になるのか? の説明はあまり聞いたことがないと思います。
というのは一般的に矯正治療は対処療法であるからです。
八重歯などが診られると歯並びが悪いのは歯の大きさに比べて顎の大きさが小さい為との説明を聞くことがあると思います。
この歯の大きさと顎の大きさとのアンバランスを歯科用語でディスクレパンシイといいます。
このディスクレパンシイには下図にあるように
アンテリア・ディスクレパンシイ(歯が見える部分)
ポステリア・ディスクレパンシイ(見えない奥歯の部分)
の2種類があります。
(開咬の治療が困難である理由)
1900年代の前半に始まった矯正治療は前歯の乱れ、特にドラキュラ伝説の影響(諸説あり)から八重歯の治療に重点が置かれました。
矯正治療では歯を並べるために抜歯をしますが八重歯を効率的に治すためには八重歯の横にある第一小臼歯を抜歯する事が最も効率的であるために第一小臼歯を抜歯することがスタンダードとなりました。
矯正治療初期の治療目標は前歯の歯列不正でした。その後、出っ歯(上顎前突)や
受け口(下顎前突)などが治療対象になって来ました。
歯並びの治療であれば第一小臼歯を抜いてその隙間を利用して歯を横に動かすことで治療することが可能です。しかし、受け口(下顎前突)や開咬の難症例の場合は歯をどんなに横に動かしても治療することはできません。
そのために、現在は難症例の受け口(下顎前突)や開咬では骨を切って矯正治療をすることもよくあります。
(開咬と受け口は兄弟です。)
難症例である受け口(下顎前突)を非抜歯(第一小臼歯)で治療するためにはその原因を知り根本的に治療していく必要があります。
八重歯などの乱れの原因はアンテリアディスクレパンシイにありますが
受け口(下顎前突)の原因は臼歯部の歯の大きさと顎骨の大きさとのアンバランスが原因であるポンテリアディスクレパンシィにあります。
前歯部のアンバランス(アンテリアディスクレパンシィ)は前歯を正常な位置から横に動かしてしまう為に八重歯などの歯並びの異常として現れますが、臼歯部のアンバランスであるポステリアディスクレパンシィは下の図のように歯を横に動かして歯並びの異常を引き起こすのではなく、臼歯部の歯の咬む高さ(咬合高径)を高くしてしまうという変化を与えてしまいます。
図3-21のように臼歯部のディスクレパンシーがあると歯並びは横に乱れる事よりも咬み合わせの高さが乱れることがあります。
すると咬み合わせは開咬になります。
その後、咬む力が弱いと開咬という状態になります。
また、咬む力が強いと図7-3の様に下顎を前に出してよく噛めるようにします。
運動選手に受け口タイプの骨格が多くみられるのはこのためです。
(受け口・下顎前突の治療方針)
当院の受け口・下顎前突の治療法は第1小臼歯を抜いたり顎の骨を切ったりする対処療法ではなく、受け口(下顎前突)になる原因を解明して、その原因を改善していく根治治療法を行っております。その為にはMEAW(マルチループ)を利用して押し出された奥歯を元の状態に戻していく治療を行います。
MEAWを用いた矯正治療 第一歯科出版 P63
まずは矯正装置(ブラケット)をつけて歯並びを整えていきます。
この開咬状態の原因であるポステリアディスクレパンシィを上図左側にある
MEAW(マルチループ)によって改善していきます。
すると開咬が改善して抜歯(第一小臼歯)することなく正常な咬合状態になります。
治療期間は2年4カ月で終了しました。
一口メモ 約20歳からの治療のため左右の顎骨の大きさが異なり正中が少し会いませんでした。ただ、治療は歯(第一小臼歯)を抜く事無く、ましてや顎骨を切ることなく患者さまが満足する咬み合わせとなりました。
受け口(下顎前突)はひとつの原因ではなくいろいろな原因が絡み合って形成されていることが殆どです。
先ずは当院に来院されて診査診断をして下さい。
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出っ歯(上顎前突)について
出っ歯(上顎前突)とは上の前歯が下の前歯より著しく前に出ている咬み合わせを
言います。我々、現人類では約33%で見られます。そして高率に顎機能障害が診られる不正咬合のタイプです。
(何故、出っ歯(上顎前突)になるのか?基礎的な知識)
MEAWを用いた矯正治療Ⅱ 第一歯科出版 P125 図7-3
何故、出っ歯になるか?その原因は完全には解明されていませんが、上図にあるように霊長類を診てみると咬み合わせの面がフラットで咬み合わせの高さが現人類より高い(顔が長細い)といった形態的な特徴が診られます。
ここで、現代人の出っ歯(上顎前突)と照らしあわせると次のような形態的変化が診られます。
1、咬み合わせの奥歯の平面が急峻になっている。
- 咬み合わせの高さが低い。
この二つの形態的な異常があります。
MEAWを用いた矯正治療Ⅱ 第一歯科出版 P125 図7-3MEAWを用いた矯正治療Ⅱ 第一歯科出版 P125
その為に、出っ歯(上顎前突)の治療方針としては上記の2つの異常を改善していく必要があります。
当院では出っ歯(上顎前突)を非抜歯(第一小臼歯を抜歯しない)で治療するために
MEAW(マルチループ)を利用してように治療を進めていきます。
初診時 出っ歯(上顎前突)11歳1カ月 女子
終了時 治療期間2年2カ月 13歳3カ月
見えにくい矯正装置(ブラケット)で歯列を並べていきます。
歯並びが整ったら矯正装置を取り替えます。
MEAW(マルチループ)で咬み合わせの高さを
改善していきます。
13歳2か月 2年2カ月で矯正治療が終了しました。
一口メモ
当院では口腔機能を重視した治療を心がけています。
その為にだ非抜歯(第一小臼歯)で顎関節機能を守るために
MEAW(マルチループ)を使用して咬み合わせの高さを改善して治療しています。
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歯並びの悪い(上下額が小さく、咬み合わせが低い)症例の 治し方
いずみ歯科矯正歯科医院ではこどもの矯正に関しては既成の矯正装置を使用せず、平成元年より培ってきた技術により歯に装着するブラケットという矯正装置により患者様独自の症例に合わせた治療を心がけています。
口腔機能には 咀嚼、嚥下、発音、や呼吸などがありますが、これらの機能は子供の時期から大人と同じ能力を持っているわけでは無く、習慣性随意運動といって年月を重ねて習得していきます。
例えば言葉の喋り方などが当たります。
歯並び、咬合の不具合から発音に不具合が生じた場合には、その影響は大人になるまで蓄積され、ある年齢になるとそれを治す事が非常に困難となってきます。
歯科分野では口腔機能の獲得が小児期に行われるために、こどもの早期歯科治療は重要です。
今回はこどもの歯並びの悪い(上下額が小さく、咬み合わせが低い)症例の治療法を紹介します。
(一口メモ)
上下顎骨も拡大でき、咬み合わせの高さも改善できました。矯正装置は既成の矯正装置ではなく、個人個人にあった治療法をブラケットという矯正装置を歯に装着して治療していきます。
今後、永久歯が萌出してから歯列矯正治療によってさらに美しい咬み合わせに改善していく事となります。
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受け口(下顎前突)
MEAW(マルチループ)を利用する非抜歯治療法
はじめに目立たないブラケット(歯に付ける矯正装置)を利用して上顎から歯並びを改善します。その折に同時にレジンを利用する事で咬み合わせの高さも挙上していきます。
歯並びを改善すると受け口がひどく見える時もありますが心配ありません。
次にMEAW(マルチループ)を利用する事で咬み合わせの高さや咬み合う平面の角度を変える事で歯(第一小臼歯)を抜く事無く受け口(下顎前突)を改善していきます。
また、MEAW(マルチループ)はゴムを24時間使用する事で最大の効果を発揮することが出来ます。
(一口メモ)
受け口の下顎骨の成長は手足の成長と同じ様に成長します。
この患者さんの場合はまだ下顎が大きく成長する可能性があります。
そのために、下顎の前歯部の咬み込みを通常よりも0.5㎜ほど深くして
後戻りしない様にしています。
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開咬症例(オープンバイト)
初診時12歳7か月 男子 開咬症例の治療法
矯正治療終了15歳3ヶ月
ブラケット(歯に付ける矯正装置)を利用して歯並びを改善します。
歯並びを改善すると本来の開咬状態になります。
MEAW(マルチループ)を利用して、歯を挺出させて咬合平面を変える事で下顎骨を回転させて開咬を改善していきます。
矯正治療終了15歳3ヶ月
一口メモ
通常の治療法としては臼歯部を圧下して治療することが多いのですがMEAW(マルチループ)の優れた点は咬合平面を変えて下顎骨を移動する事にあります。そのことにより外科矯正(骨切り)が必要か?という難症例の開咬
(オープンバイト)であっても歯を抜かないで外科矯正をしないで治療する事が可能です。
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受け口、子供の気になる噛み合わせ。
わたしたちの周りには出っ歯の人が多いと思いませんか?
黄色人種には基本的に出っ歯傾向の人が多いのです。
そのために受け口(下顎前突)の子供は特に目立ちます。
受け口(下顎前突)になる時期には3歳前後の時期と小学校5・6年生位の身長が伸び始める時期の2つがあります。
当院の治療を始める時期は、上下の前歯が萌え揃う小学校2・3年生位から治療を開始する事が多いです。
本日ご紹介する症例は7歳の女の子です。典型的な受け口(下顎前突)です。
【一口メモ】
受け口(下顎前突)だったので上顎骨の成長が抑制されていたために治療後に上顎骨はかなり大きくなっています。
治療前の状態にしておくと将来、顔貌や呼吸機能、顎関節などに異常をきたす可能性がある為早期の治療が望まれます。