マウスピース矯正(インビザライン)を治療に取り入れました
マウスピース矯正(インビザライン)を治療で利用する事になりました。当院では口腔機能を向上させることで患者様の生活の質を高める事を目標に開業以来30年の長きにわたり非抜歯で矯正治療を行ってきました。
口腔機能を重視する治療を行うためには非抜歯(第一小臼歯)が必要不可欠であり。また、矯正治療を非抜歯で行うためには一歯一歯の歯を3次元(立体的)に動かす道具が必要となりました。その要件を満たす装置のひとつに長年にわたり利用してきたMEAW(マルチループ)があります。
マウスピース装置でも3次元移動が可能に
このMEAW(マルチループ)を利用する事で当院では数々の非抜歯治療を実現してきました。マウスピース矯正には数々の利点がありますが、いままで歯を3次元(立体的)に動かす機能がある装置がありませんでした。
しかし、このたびアライン社の開発したインビザライン(マウスピース矯正)は技術革新の結果、歯を3次元(立体的)に移動させることが出来るようになりました。
このことにより当院の目指す非抜歯で口腔機能を向上させる矯正治療で利用できる装置として確認できましたので、MEAW(マルチループ)とインビザラインをコラボさせてそれぞれの利点を活かしながら当院の矯正治療を続けていきたいと思います。
インビザラインについてのよくある質問
通常の矯正と比べてインビザライン矯正の利点
矯正装置が見えてしまうことが気になる人が多いですがインビザラインの材料は数年前より開発が進みほぼ通常生活では他の人が気付かないレベルにまで透明性が向上しています。
矯正開始時の痛みについて
インビザラインの材料の向上により歯にかかる力がソフトとなり通常の治療でおこる痛みを軽減させることができます。
むし歯の心配について
インビザラインを外して歯を磨くことができるので大変衛生的です。
治療期間は通常の矯正に比べ、どのくらい違うのでしょうか
当院は、インビザラインは様々な矯正治療法、装置の1つに過ぎないという考え方で治療を行っております。ですので、患者様の歯並びの状態や生活環境等によりインビザラインによるマウスピース矯正治療が不向きであると判断される場合には、無理にインビザラインのみで治療は行わずワイヤー装置による矯正治療を併用することができますので安心して治療をお受けいただけます。
また、インビザラインでは治療が難しい歯並びと他院で判断された場合でも、ワイヤー装置を最初に併用することでインビザラインの適応範囲の歯並びにしてからインビザラインでのマウスピース矯正治療へ移行することもできます。
インビザライン矯正の治療期間の予想は?
マウスピース矯正(インビザライン)の場合は、予め必要な枚数がわかりますので、マウスピース1枚当たりの日数を掛け合わせることでより正確に治療期間をご提示できます。
インビザラインを装着している時に話しづらさはありますか?
インビザラインでは、歯の部分しかプラスチックで覆いませんので会話への影響はワイヤー矯正に比べてかなり少ないです。
クラブ活動に対しての影響は?
吹奏楽、サッカーなどのクラブ活動は快適というわけではありませんが、一般的には普通にクラブ活動を行っていらっしゃいます。
インビザラインでの矯正治療の欠点はありますか?
①取り外せる矯正装置であること
取り外しができるということは自分の意志により意味もなく
外している時間が長くなると歯が思うように動いてくれません。そのため、22時間以上使用するという条件が付きます。一方、ワイヤーを使った矯正装置は24時間装着したままですので、確実に効果が現れますが、どうしても口腔内の衛生状況は悪くなります。
②適応が難しい症例があること
重篤な歯周病の場合、矯正治療を行うことで歯が抜けるおそれがあります。そのため、矯正治療に入る前に、しっかりと歯周病の治療を行う必要があります。また顎関節症の場合も、その治療を受けてからとなります。歯の数が少なかったり、咬合力が強すぎたりなど、症例によってインビザラインだけでは矯正が難しいなども稀にあります。
③治療中の虫歯治療が難しいこと
インビザラインは最初にスキャンにより採った精巧なコンピューター上のデータによる歯型からコンピューター上で歯の動きをシミュレーションして治療を進める治療法です。
その為に基本的に治療中の歯の形が変わらない程度の小さな虫歯の治療はインビザラインの治療中であっても行うことができます。しかし、被せ物を再治療するなどの治療はマウスピースを再作製する必要がでてきます。その為に治療期間の長期化といったロスが生じてしまいます。
④患者様自身での装置の交換・お手入れが必要であること
歯磨きが丁寧に行なわれていてもマウスピースのお手入れが不十分では意味がありません。歯磨きと装置の洗浄を考えるとワイヤー装置以上に手入れが面倒とも言えます。
さらには取り外す関係上、紛失や破損する恐れもないとは言い切れません。完全に固定されているワイヤー装置と違い装置の管理は全て自分が行うことになるが故のデメリットと言えます。自己管理が非常に重要な治療法です。
インビザラインで治療中の皆様へ
マウスピース矯正開始時の注意事項
- マウスピース矯正はワイヤー矯正に比べると痛みが出ることは少ないですが、新しいマウスピースを装着した際2、3日は痛みが出ることがあります。その後は痛みを感じることは少ないですが、痛みのある時は痛み止めを服用するようにして下さい。もし、どうしても我慢できないような痛みがあれば、当院で高周波を当てて痛みを軽減させることが出来ますのでご連絡して下さい。
- マウスピースの縁が舌や唇にあたって口内炎などできてしまった場合は、当院で対応しますのでご連絡してください。
- マウスピースは、食事と歯磨きの時以外の1日22時間以上装着して下さい。体調不良によりマウスピースが入れられない、又は装着を忘れたなどの場合、その後装着日数を延長することがありますので、一度当院にご連絡して下さい。規定の時間に到達しなければ十分な矯正力を発揮しませんので計画通りに治療が進まず、治療期間が延びてしまう事がありますのでご注意ください。
- 食事の時は必ずマウスピースは取り外すようにして下さい。着けたまま食事をするとマウスピースに食べカスなどが付いて虫歯や歯周病の原因になったりマウスピース自体が傷んでしまう事があります。
- 水を飲むときはマウスピースを着けたままで大丈夫ですが、それ以外の飲み物は虫歯や着色の原因になりますので外してから飲ようにして下さい。また、熱い飲み物は変形する可能性がありますので、こちらも外してから飲むようにして下さい。
- 食事の後は必ず歯磨きをしてからマウスピースを装着して下さい。そのまま着けてしまうと、歯とマウスピースの間に汚れが滞留する事になり、虫歯のリスクが発生してしまいます。外出先などでどうしても歯磨きが出来ない場合は水で口をゆすぐ等して、なるべく汚れが無い状態で装着するようにしてください。
- 使用済みのマウスピースは次回来院時に全て回収しますので、捨てたり紛失したりしないようご注意ください。また、使用済みのマウスピースは、元々入っていた袋に番号を確認して保管してください。(袋は捨てないようお願いします)
- 他に何かわからないことがあればご連絡してください。
アタッチメントが外れた場合
アタッチメントとは、歯の外側に着く白い突起です。
歯の表面に凹凸を増やすことで、歯の動きをより正確にします。
アタッチメントは最終的には外せるようになっているので、お食事やマウスピースの着脱の際に取れることがあります。
アタッチメントが外れたら、治療の進行に影響が出ないように、なるべく早めにアタッチメントを再度着け直しますのでご連絡ください。
アタッチメントはとても小さいので、外れてもご自身で気づかないこともあります。毎回の診療時とれているところがないかチェックさせていただき、
必要なところについては再度装着します。
とれてしまったアタッチメントは治療計画の過程で影響のないタイミングの場合は再装着せず進めることがありますので、外れたことに気づいたらまずはご連絡ください。
マウスピースの取り外し方
マウスピースを取り外す際は、基本的にマウスピースの縁に親指または人差し指を添えるようにして外して下さい。また、上と下では外し方が異なりますのでご注意ください。
上のマウスピースの外し方
最初に奥歯の内側から外します。
まずは左右どちらかを浮かせ、次にその反対側を浮かせます。
(一度に外そうとすると、歯の表面に着いている突起が外れたり、マウスピースが変形したり、歯に痛みが出たりすることがありますのでご注意ください。)
最後に奥歯の浮いた部分を親指と人差し指でつまみ、左右いっぺんに外して下さい。
下のマウスピースの外し方
今度は最初に奥歯の外側から外します。
次は上と同様、まずは左右どちらかを浮かせ、その後反対側を浮かせます。
最後に奥歯の浮いた部分を親指と人差し指でつまみ、左右いっぺんに外して下さい。
マウスピースの洗い方
- 取り外したマウスピースは基本的に水で洗い流すだけで大丈夫ですが、汚れがひどい時やにおいが気になる時は歯ブラシや専用クリーナーを使用して洗浄してください。磨く力が強すぎたり、熱湯を使用したりすると、変形や破損の原因になりますのでご注意ください。
- 食事や歯磨きの際に取り外したマウスピースは専用のケースに入れて保管して下さい。ケースに入れずに置いておくと誤って破損、または紛失してしまう可能性がありますので、必ずケースに入れるようにしてください。(外出時にもケースをお持ちください)